沖縄・八重山・与那国・民謡・清ら歌(ちゅらうた)・島唄

与那国島の古謡について

与那国島の古謡


ばがはとま節 ・・(ふりむけば海鳥が悲しく群れ飛ぶ)

 朝焼けに水平線を眺めれば、海鳥が島の長さに群れ飛ぶ、魚の大群だと沖に船を漕ぎだす近づいて見れば流れ大木だ、いやもっと近づけば海亀の夫婦だ、生け捕ったまでは良かったのだが、悲しい物語の始まり。

いとぬぶでぃ節 ・・(竜骨船に乗って想いを遂げる旅が始まる)

 いとの家に生まれた一人娘、親が決めた許嫁を嫌い家を飛び出す三日三晩、山道をさまよい川原の畔で息絶えてしまう。娘の想いが天に叶ったのか、想像も出来ないことが次々に起こってしまう。

とぐる岳節 ・・(原風景が残る島の眺めは悲しくもあり美しすぎて。わびしくも)

 小高い、トゥグル岳から眺める美しいトゥグル浜。与那国島の旅が、トゥグル浜から始まる。帆船の時代、港はトゥグル浜。命がけの旅が始まります。石垣島まで七日の長旅である南西(申方向・未方向) の追い手風だけが頼り無事、石垣島にたどりつけるかどうか誰も知らない神頼みの悲しくもある命をかけた長旅。

 トゥグル岳の御嵩に無事を祈る家族。野良仕事にいそしむ人たちも手仕事を休め。帆船の出帆を見守るほら貝の響きにトゥグル浜を離れる帆船。家族は御嵩に体を沈め祈り続ける。見送る野良仕事の人々。申の方向の未の方向の や-るかでぃ(やわらかい風) よ吹いてくれ、吹いてくれ。とティサジを振り、クバガサを振り帆船が島影に消えるまで見送る風景は、どれほど苦難で命がけの旅であったかうかがい知る事が出来る。

 トゥグル浜は島の中央で。北に面し風の周りで波が急激に荒れ狂う。東西に線を引く白砂のうねりがとても綺麗なトゥグル浜。目を閉じれば お-い帆船が出るぞ- 帆船が出るぞ ほら貝の響きが耳元を通り抜ける。

すんかに節 ・・(なんた浜で見送る別れは涙があふれ、なにも見えない盃を杯することも出来ない)

 与那国島の名勝 なんた浜、島影を走る船のしぶきが涙色、見送る人が振る手のテサ-ジ・ハンカチはいついつまでも。港を離れ、なんた浜を通る船は一瞬にして防波堤に向かう、浜で見送る人の姿が涙で見えない、島影に消えるまであふれる涙をぬぐうことすらできない別れは、波のしずくと散っていく。

ながく節 ・・(弥勒仏を迎えて島の五穀豊穣の宴は、可愛い子供達の舞から   ミンミンミン チ-ア-ブ)

 大国から福禄寿が与那国島に、御世から弥勒世果報、十日越しの夜雨は五穀豊穣、弥勒仏さん遊ぶなら遊べ、踊るなら踊れ万人のために島においでになり嬉しさ誇らしさは限りが無い。

とばるま節 ・・(恋の歌でもあり、ディラバ(労働歌)でもある。ドナンとばるま節)

 原風景の残る与那国島、ふと自身に置かれた境遇に一抹の物侘しさを感じる。あまりにも美しい風景に見とれて、自分とよく似ていると空想してしまう。世に羽ばたく二十歳前後に脳裏に焼き付いた島の山並みや紺碧の海や川原・・消え去ることのない原風景に自身を重ねてしまう。貴高い旋律にドナンとばるま節がただよう。

嫁入り唄(ブトムティうた)

 (ブト(夫) ムティ(持つ)唄と云う、嫁ぐ娘に母親父親の心情を注ぐ愛情・・涙だけ

 嫁入りと云わずブトムティ(夫を持つ)と云われる与那国島の古きゆか式・嫁入り唄

 いかに女性の力が基礎となっていくのかが読めてとれる嫁入り唄。嫁ぐ今日の日を基礎とし黄金日を根敷きし、吾が子の胴持ちは提灯をつけ炬火をつけて太陽の昼間、甲の刻、嫁がすから行きなさい夫の家にしゅうとの家に、しっかりして男の子、根がわりするな基 がわりするな・・・女の子を産んで抱き、ほめられてこいよ女の子でしめくくる。

与那国島の民族の唄

独特の旋律を持つ与那国島の古謡
父親の唄声を日々耳にする生活の空間、祖父母の瓦家の棟上げにたまたま遭遇する。小学校5年の時でした。

 赤土を盛り屋根上の瓦職人に投じる叔父さん達の姿が未だ脳裏から離れません。
床竹を編む人、麻縄を編む人、大きな釜鍋で薪煙もうもうのおばさん、皆ディラバ(労働歌)を謡っていました。叔父さんおばさん、そこにいた人たち全ての姿がドタティ(民族衣装)でした。

 夕暮れになると慌ただしい人の動き、家の横手に大木が山のように積み重ねられ、周りが掃き清められました。おばさん達の掛け声で大きな丸い輪が造られ、山のように重ねられた大木に火が放されました。

 エ-ヘイと大合唱、ドンタ(巻踊)のはじまりでした。天を突くようなこぶしが燃え上がる炎の渦となり裸足で踏みつける大地が揺れていました。休むことなく遅くまで続けられたドンタ、無心に舞う表情が未だ忘れることができません。

 年を重ねなければ民族の唄や踊りの味わいをかみしめることはできません。伝統芸能の継承は民族の宝です。

 日々唄い継がれ、踊り継がれることが義務と思います。多くの人たちに触れ合う事が民族の唄や踊りだと思います。
与那国島の古謡、独特のいい旋律だと思いませんか。

与那国島のおもしろことば

うむつぁる詩~おもしろい詩    かなし~叶えられる   むちんどり~風の方向

はとま~海鳥    なちあみ~どしゃぶり雨   すんかに~引きずる情けの深さ

いや~父親   あぶた~母親   あぶ~おばあさん   すなてぃ~兄さん

子守唄わらべ唄 


はららるで

 はららるで-とは、なでるとか、さするとか、あやしの言葉です。与那国島の子守はあくま
でも、やさしくなでたりさすったりで、無理やり寝かしつけない。おばあちゃんの子守の奮闘がとてもユ-モラスで美しく楽しくもありぐったりの日々です。

にちぬさんあぃてぃ 

 畑小屋の前で、どしゃぶりの雨の中、働けど働けど天の声神の声に生きることも死ぬことも出来ない過酷な日々、家の中からその光景を見ている子供達 雨よ降らないで お願いお願い。

いがびあぶ    

 わらべ達が疑問を、物知りでなんでも知っているイガビばあちゃんに投げかける、わらべ唄。あの美しい山の中に小さな小屋があります、その後ろの木に鳩がとまっていました。その鳩がどうしたのか腹を膨らまし、喉を鳴らして大変怒っているように、又不平をこぼしているように鳴いていました。可愛いあの鳩さんがなぜあんなにおこっているのでしょう。鳩は何か気に喰わないことでもあるのかしら。イガビおばあちゃんに訊きましょう。ほんとうに不思議だ。

powered by Quick Homepage Maker 4.91
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional